日本糖尿病学会のご招待を受け、賢島セミナーに行ってきたので、ご報告します。
今回のテーマは「糖尿病の診断と管理のイノベーション」でした。
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テーマ1は「病型から見た糖尿病の病態と診断は今」。
 和歌山労災病院の南條輝志男先生の司会でした。
①東京大学の門脇孝先生
 日本人に特有のSNP(スニップ:DNA配列のわずかな異常)やエピゲノム(DNA配列に変化はないが、クロマチンやDNAがメチル化やヒストンアセチル化により表現型や遺伝子発現量が変化する)の異常と糖尿病の発症についての話しでした。
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②熊本大学の荒木栄一先生
 1型糖尿病の話。緩徐進行型1型糖尿病は東京スタディーなども紹介しながらわかりやすい解説でした。
③東京女子医大の佐中眞由美先生
 妊娠糖尿病のフォローの話はすぐに実践に役立ちそうでした。HAPOスタディーの話も興味深かったです。
④神戸大学の横野浩一先生
 高齢者糖尿病の管理の話では、高齢者の筋肉量の低下と認知症の話がわかりやすかったです。

症例検討セミナー
中部労災病院の堀田饒先生の司会で中部労災病院の今峰ルイ先生の困った症例呈示。
コメンテーターとして、旭川医科大学の羽田勝計先生と川崎医科大学の加来浩平先生。
肥満2型糖尿病の困った2症例が呈示されましたが、愛知県は5種類も内服を併用できるんだなあと感心していまいまいした。

ディナー
 かつてNHKドキュメントで放送された、金沢の城北病院(最後の願いを叶える笑って死ねる病院)の患者の最期の願いの一つ、志摩観光ホテルの鮑のステーキ。絶品でした。
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ディナースピーチ
 滋賀県健康福祉部の吉川隆一先生司会で東京慈恵会医科大学の田嶼尚子先生のスピーチ。
 女性医師への差別と限界をガラスの天井と称して、自らの半生を熱く語っていらっしゃいました。

セミナー2は「2型糖尿病の病態に応じた管理・治療のフローチャート」
 司会は関西電力病院の清野裕先生でした。
①川崎医科大学の加来浩平先生
 病態に応じた薬剤選択の話。患者のQOLを考えて早めに薬剤投与をといった内容だったかと思います。
②東京大学の植木浩二郎先生
 ビグアナイドの大量投与が話題に上り、当たり前の話ですが高齢者は少量からと強調されていました。またアクトスと膀胱癌の関係に関しても、武田の下敷きを使って上手に説明するようと言う話をされていました。インスリンの発癌性の方がずっと高いのだが・・・、だそうです。
③京都大学の稲垣暢也先生
 インクレチンの話をして頂きました。インクレチン単独での低血糖はEpac2が関連しているのではないか?だそうです。
④山口大学の谷澤幸生先生
 インスリンによるコントロールの話。1回注射から初めても、頻回注射から初めても最終的に行く付くところは同じだそうです。注意するべきは、もちろん体重増加と低血糖です。



キーワード: 糖尿病
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