2010/5/31 第53回日本糖尿病学会学術集会
5月27日〜29日に、岡山で「第53回糖尿病学会年次学術集会」が開催された。
ここで、日本糖尿病学会(理事長:門脇 孝・東京大学教授)は、糖尿病を早期発見・治療できる体制の構築などを目指し、「第2次対糖尿病戦略5ヵ年計画を新たに作成」、活動目標を示した「アクションプラン2010(DREAMS)」を以下のようにあきらかにした。
日本糖尿病学会アクションプラン2010(DREAMS)
- 糖尿病の早期診断・早期治療体制の構築(Diagnosis and Care)
- 日常診療や国民を対象とする検診・健康診断などで血糖値とHbA1cの双方の測定が実施され、糖尿病がより早期に診断されて、直ちに適切な治療が開始されるようにする。
- 糖尿病の早期診断・早期治療の実現のため、行政・医師会などの関連団体と協力して、職域・地域における診療ネットワークの構築と拡充を推進する。
- 全国の一次医療圏毎に糖尿病専門医が1人以上存在することを目指して、糖尿病専門医を適正に増加させる。
- 研究の推進と人材の育成(Research to Cure)
- 糖尿病を根治する薬剤・再生医療などの治療法について、前臨床段階までの研究を遂行する。
- 本学会や日本糖尿病協会、糖尿病センター(国立国際医療研究センター、国立京都医療センター)がイニシアティブをとって、行政・企業などに対する働きかけや寄付活動などを精力的に進め、糖尿病の病態・病因や治療法に関する公的および民間の研究費を増加させる。
- 効果的な研究費の配分により、効率的な研究成果の達成とさらなる若手研究者の育成に注力する。
- エビデンスの構築と普及(Evidence for Optimum Care)
- 我が国における糖尿病やその合併症の発症・進展の実態を大規模臨床研究により明らかにする。
- 大規模臨床試験などにより、心筋梗塞・脳卒中などの合併症の発症を抑制可能な、血糖・血圧・脂質などのコントロール目標を決定する。
- 全ての医療従事者と国民に対して、これらのコントロール目標に関する知識の普及を図る。
- 国際連携(Alliance for Diabetes)
- 海外の糖尿病の研究・診療に携わる団体(IDF、ADA、EASD、AASDなど)と協調・連携して、疫学や治療法に関する国際共同研究、糖尿病に関する国際共同キャンペーンなどの啓発活動を推進する。
- 我が国を含めた東アジア地域の糖尿病の特性を明らかにし、東アジア地域の特性に基づいた効果的な治療法・予防法を確立する。
- 糖尿病予防(Mentoring Program for Prevention)
- 個々人に最適化可能な食事・運動などに関する生活習慣改善プログラムを開発し、これを糖尿病患者のみならず国民全体に広く普及させることにより、我が国における糖尿病・メタボリックシンドロームの発症を予防する。
- 糖尿病の抑制(Stop the DM)
- 2015年の時点で糖尿病患者数の増加を減少に転じさせる。
- 2015年の時点で糖尿病関連の死亡者数を現在より減少させる。
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